糖質制限は自由を目指すもの 『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』
引き続き、夏井先生の本から。
糖質制限に自分が惹かれる理由がちょっとわかった気がする。
より自由な生き方、多様なあり方を提示してるからだと思う。
炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 植物vs.ヒトの全人類史 (光文社新書)
- 作者: 夏井睦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/10/17
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
「diet」の語源をたどると、「生活習慣、生き方」という意味の古代ギリシャ語「diaita」に行き着く。……
つまり、もともとのダイエット(diet)の意味は、「生き方・生活習慣(食習慣)」であり、「痩せること」ではないのである。
基本的な話だけど、糖質制限は短期的なダイエット方ではなく、長期的な生き方の変化なのだということ。だから流行り廃りに関係なく、大きなテーマになっている。
糖質制限の本質として挙げられているのは、これ。
●糖質に支配された人生を自分の手に取り戻すこと
●糖質により損なわれた健康を取り戻すこと
●食べ方を変えることでライフスタイルを変えること
糖質からある程度距離を置いてみると、糖質に支配された人生と言う表現は妥当なものだなぁと思う。実際にやってみないとわからないことかもしれない。おやつに菓子パンを食べて頭をぼーっとさせるようなことは、もうする気になれない。
本の中では、数百万年前のヒトが遊動採集生活をする様子を想像している。食べ物はそこらじゅうにあるからろくに働く必要もないし、暇だから乱行的にセックスばっかりしている、というもの。それが本当に楽で自由な生活かどうかはちょっと迷うけど、率直に言ってうらやましい感じもあるよね。
1日8時間働くような生活が本当に人間にとって幸せなものなのか、やっぱり考え直したほうがいいよねと、そんなエピソードを読むと思ってしまう。
先史時代のヒトは、多種多様な動植物を食べていたことが遺跡調査からわかっている。これは現代の狩猟採集民でも同様で、アチェ族(スマトラ島北部の先住民)は、70種以上の哺乳類、20種類以上の爬虫類と両生類、150種以上の鳥類、数え切れないほどの植物を食糧にしている。
現在の私たちが、数種類の哺乳類(ウシ、ブタ、ヒツジなど)、1種類の鳥類(ニワトリ)、数10種類程度の植物しか食べていないことから考えると、驚異的な食材の豊富さである。
現代の私たちは何でも買うことができるように見えて、実は貧しい環境にあるのかもしれない。國分功一郎先生もたしかそんなこと言ってた。
生まれた時から多様性が失われた世界に住んでいたから、それを当たり前と思ってしまって、豊富な可能性に気づかずに生きていって、行き詰まったり病気になったりしているのではないかと思ってしまう。
生き方や働き方、住まい方など、本来はもっと多様なものではないかと、夏井先生の本を読むと揺さぶられるから面白い。糖質制限をすることは、いまや自分にとっては自由を目指した自然な選択となっている。
そうなると、これから興味があるのは昆虫食だ。今後、機会を見て試してみたいところ。
同じ本についてのエントリはこちら。