水を飲みたい馬が水を飲む 『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』
興味を引くポイントがたくさんあったので、再読しつつメモ。
炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 植物vs.ヒトの全人類史 (光文社新書)
- 作者: 夏井睦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/10/17
- メディア: 新書
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こういうタイプの人は、自分の考えを否定する話などそもそも聞きたくないから、講演会に参加しないのだ。彼らはいわば、信念を持ってやり方を変えないのだ。
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」という古いことわざがあるが、彼らはそもそも喉は乾いてないし、水も飲みたくないのである。
それでも2割の人は新しいことを試すから、糖質制限推進のためには粛々と情報発信すればいい、とのこと。同意です。
以前よりは世間に受け入れられているけれど、糖質制限を直接勧めてもあまり効果ない。試しにやってみればいいのに、と思う人ほどダメ。糖質制限だけに限らず、いくら良いものだとしても、変わる意志のない他人を変えることはできないと思ったほうがいい。
私は私、あなたはあなただから。変えることができると思っている方が勘違い。よくしようと思うほど、自分も相手も苦しいだけ。自分のことをただやりましょう。
それでも関わらなければいけないときは?
プライベートの関係では、それぞれの判断に任せるしかない。ただ、仕事などではそうもいかないこともある。自分との関わりによって、相手に変化が起きることが求められる場合もある。変化を起こすのは相手の責任であるけれど、変化が起きやすくなるための工夫を、自分の責任の範囲でしなければならない。
折を見て情報を伝えること、自分で実践してみること。他にもいろいろあるけど、実は一番大事なのは、相手のなかの「変わりたい意志」を見つけることだと思う。
変わる意志のない他人、という見方をまずは変える必要がある。一見そう思えても、実は内面には、なにか自分を変えていきたい、良くしていきたいという意志があるのではないか、そしてその意志を実現することを妨げているものがあるのではないか、と仮定するのだ。
水を飲まない馬でも、本心から水を飲みたくない訳ではないのでは、と考える訳だ。水を飲まずに生きていける馬はいないのだから。
そう仮定することで、本人の意志の問題から、何が意志の実現を妨げているのかと問題が変化する。一緒に考えて、協力して対策を取ることができるレベルに問題が降りてきてくれる。
という訳で、他人に関わるときの姿勢って大事ですねという話。